Vol.2 オリジナル和風餃子
時代小説で、“煮売り屋”という商売がたびたび登場します。 設定はいろいろですが、だいたい庶民の食材を煮炊きする市井の食事店です。 私の育った家は、商売こそしていませんでしたが、連日そんな雰囲気の台所でした。 1960年代~80年代後半、我が家はともかく客人の多い家でした。 身内や親戚の来訪もありましたが、一番大勢の来客は、通勤2時間の父親の職場の方でした。 40年前小田原は、都内から足を伸ばすには絶好のリゾート地(?)だったのでしょう。 磯遊び、釣り、登山、撮影旅行、家族旅行等々・・・一年中泊まり客が絶えませんでした。 食事の世話は、母が一手に活躍。中学生くらいになると、私も立派な戦力。料理人としてのデビューです。 美味しく食べてくれる人がいて、美味しい料理創りに励めることを知ったのはこの時期です。 経済的で、旨くて、心を満たしてくれる料理を追求し(サラリーマン家庭の財布等、語らずとも推測できますでしょ?)ひき肉料理のバリエーションは多く、出番も数多くありました。 そして、当時ではめずらしい焼餃子専用鍋を入手出来た頃、私は初めて料理に対し勇気が湧き出ました。肉厚で、重量感のあるこの角鍋は、つたない素人の料理をプロ顔負けの焼餃子に仕上げてくれました。 食べもの商売を開業するについて、「専門店で勝負」の結論が出ると、若い頃の焼餃子の存在を思い出しました。 油を感じさせないあっさり味。女性や子供にも食べやすい小型。しかし存在感のある味。 既製品や、中華の餃子ではない、オリジナルの餃子。 薄皮で、繊細な味を表現する日本食の餃子を創ろう。 和食感覚(しそ・銀杏・ごぼう・生姜餃子・・・)や、和菓子感覚(よもぎ・小豆・梅・桜餃子・・・)も取り入れよう等と、コンセプトが見えてきました。 開業3ヶ月位前のことです。









